底辺ホステスの人生

底辺ホステスの人生期

12月

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「ホステスにとっての12月は、その年の通信簿みたいなものだ」と誰かに聞いた。

今年でこの仕事に就いて早10年、哀しいかな今年が一番絶不調である。

全く売上が立たない。

理由は明確に分かっている。

半分は自分のせい。もう半分は何処かで流される話の影響。

別にいいのだけれど。と言うのは嘘。

去年の暮れに出会い、今年の春先にお付き合いを始め「今年中に入籍しよう!」と断言し、数年来の女を捨て数十枚の服とベースとゴルフクラブのセットのみを抱えて転がり込んで来た彼氏は、蓋を開けたら金回りが悪く(今年は特別だと言うが)、結婚しても今の状態では専業主婦には到底なれないだろう。

だが実は、去年の今頃は主婦だった。専業ではなく、ホステス兼業だったが。

この一行で、男を見る目の無さがお分かりであろう。

いや、もう前段階の文で匂いがプンプンしていたけれども。

某ホラー作品もびっくりの「お分かりいただけただろうか」である。

誰がどう見てもバレバレやないかい。

まぁホステス=男運の無さは、大抵が事実である。

何故なら男を見る目のあるホステスは、20代~30代前半でホステスを上がっていくからだ。

学校に通っている間だけで就職する子、お金を貯め自分で事業を起こす子、そして水揚げ(結婚)される子。

自分の偏見で申し訳無いが、30過ぎたホステスの8割は男を見る目が皆無である。

立派な学歴や職歴があったり、その辺のサラリーマンの年収を1ヶ月で稼ぐ程の売上があるホステスもいるが、男運のあるホステスには会った事が無い。

歴が長ければ長い程。

だから我々は自分で立つしかないのだ。色んなものに殴られながら。飲みたくもない酒を浴びながら、サンドバッグ代わりに殴られる日もある。

時には母親の様に甘えられ、恋人の様な振る舞いを求められ、古びたぬいぐるみのように捨てられる。

人格を否定され美醜恐怖症になり、どんどん一般人の感覚とかけ離れて行くとしても、全てお金の為に我慢するのだ。

そんな日から抜け出す日は来るのだろうか。

兎にも角にも、自分の今年の仕事の通信簿は△になりそうである。

「がんばりましょう」

人生の通信簿はどうなるんだろう。